社会問題が影響したアカデミー賞
2019年2月25日午前10時頃(日本時間)第91回アカデミー賞授賞式が今年も行われました。
作品賞に黒人ピアニストと人種差別主義の白人ドライバーを描いた『グリーンブック』、
主演男優賞には『ボヘミアン・ラプソディ』のラミ・マレック。彼はフレディ・マーキュリーと同じく移民の子でありアラブ系。
また、助演男優賞にマハーシャラ・アリ、助演女優賞にレジーナ・キング、受賞したのは黒人でした。
近年は世界レベルで差別についての問題定義が行われていて、差別意識が見直されて減少していくのは喜ばしいことです。
どこかの国の大統領の差別発言と塀の建設、米警察官による特定人種への暴力と殺害、移民問題、ヘイトクライム。
これら問題に対して一石を投じたい感情も影響しているのでしょう。
また、昨年ハリウッド映画界は長年に渡る女性へのセクハラ問題が明るみになったりでイメージ回復を図りたい目論見もあったのでしょうか?
今年の受賞は差別を扱った作品にとって追い風になったことは事実でしょう。
だけど、”今はブームだから差別問題を唱えることがカッコいい”そんな意識を持っている人が多いだけなら差別はなくならないんだろうな。
差別が悪であるのはいつの時代も同じ。
この風潮が一過性のものであってほしくないですね。
そして、もうひとつ私が思ったこと。
アートの評価と社会問題は別であってほしい!
ということ。
いい音楽はいい!いい映画はいい!
受賞基準だってただそれだけでいいと思う。
2018年公開の見るべき音楽映画ランキング
そこで昨年公開の見るべき映画音楽について考えてみたいと思います。
そして僭越ながらランキングを発表!
私が勝手にノミネートしたのはこの3作品
・グレイテスト・ショーマン
・ボヘミアン・ラプソディ
・アリー スター誕生
第3位
『ボヘミアン・ラプソディ』
イギリスを代表するロックバンドであるクイーンの伝記映画。
ブログを書いている現在でも上演中である大ヒットした映画なので改めてご紹介には及ばないでしょう。TVでも飽きるほど紹介されましたね。
今までクイーンを知らない方達にもその素晴らしさの一遍が伝わったことでしょう。
普段映画をあまり見ない方達でも久しぶりに劇場に足を運んだそうです。
この日本にもムーブメントが伝わり性的マイノリティを擁護するみんなの気持ちに後押しされてここまで映画がヒットしたことを考えると社会現象を上手く利用した映画ビジネスとしては大成功だったんですね。
俳優陣のそっくり度がよく話題になりますがロジャー・テイラーとジョン・ディーコンは似ていると思う(笑)!
リハーサルシーンなどの劇中の歌はラミ君では無くて歌のそっくりさんをオーディションして募集したそうでフレディ節のディティールも似ていましたね。
でも実はこの映画。
私的にはどうも手放しでは喜べない納得がいかない点がいくつかあります。
それは...
天国のフレディが見たらきっと激怒するであろう史実の改変と脚色。
ブライアンもロジャーもそのことはインタビューで認めていました。
ああ死人に口なし。
例えば他愛もない程度の脚色ですが、
スマイル結成当時のエピソードでこんなシーンがありました。
シーン1
慣れないステージに上がるフレディはマイクスタンドの使い方が分からず焦りまくりブームパーツだけを引っこ抜きそのまま歌い続けた。➡絶対あり得ない(笑)!
小学生からバンド経験を持ちバンド歴10数年であったフレディなので、ステージに不慣れなはずも無くスタンドの構造なんて見なくても分かります。まあ、フレディと言えばブームを持って歌うみんなの知ってるあの独特のスタイルだけにそこのところを演出したかったのはよーくわかるけどね。
シーン2
ブティック店員さんである恋人(女性)の手ほどきでステージメイクやファッションに目覚めた?かの様なシーン。➡おそらく違うな(笑)!
サウンドから察するに大いに影響を受けていたはずのグラムロックを起源とする女性的なメイクやファッションは当時のトレンドであり、美大卒であるフレディの美的センスも既に高いレベルに達していたことでしょう。
有名な話ですがクイーンの美しいジャケットデザインのいくつかはフレディによる手書きです。
その他の脚色は割愛しますがフレディがちょっとダークに描かれていたりしてる話も。
実は私はいわゆるクイーン世代。
中学生の頃はクイーンを聴かない日は無い程のクイーンファンでありました。
でもクイーンのファンだったのは5枚目のアルバムまで。
それ以降は?5枚目までってそんなのクイーンファンじゃないじゃん!って言われそうですが、メンバーの顔ぶれは変わっていなくても、音楽に対する心のありようと仕事の仕方が大きく変わってしまった様に感じたのがこの頃なんです(私だけじゃなく当時のファンの多くは同じ様に感じていたようです)。
だから初期のクイーンファン。
シンセサイザーを使わない完全アナログ主義とモダンでクラシカルなロココ調サウンドを売りにしていたブリティッシュハードロックバンドのクイーンが大好きでした。そんなクイーンもやがて時代の波に飲まれて商業的サウンドを受け入れていくようになります。
長くなるのでクイーンの歴史についてはまた後日(笑)。
そんなリアルタイムで聴いていたクイーンファンにとってはこの映画が公開される前から楽しみであり公開翌日には映画館に足を運んでいました。
率直な感想としては。
ラストの13分30秒が素晴らしい!
そんな映画でした。
それは本物のフレディが歌ってくれたから。
「魂に響くラスト21分」はこの映画のキャッチフレーズですがライヴ・エイドの演奏シーンはたったの13分30秒。
なぜ21分なのでしょう?エンドロールの演奏はCDと同一ですがそれも併せればおよそ21分だということだったのでしょうかね???
では本作は?うーん。
でもね、
フレディ・マーキュリーが素晴らしいのはゲイだからじゃなくてフレディだからです。
フレディ=ゲイの構図を忘れてフレディ・マーキュリーの本質と向き合えたら、
フレディならではの多面的な人間性も理解出来てクイーンの音楽をもっともっと楽しめると思います。
やっぱり本物のフレディはかっこええ!足も長いしね。あっラミ君ごめんね!
第2位
グレイテスト・ショーマン
ヒュー・ジャックマン主演 マイケル・グレイシー初監督
ベテランミュージカルスターでもあるヒュー・ジャックマン主演(X-MENのイメージが強い?笑)ですから質においても間違いないですし髭女さん役のキアラ・セトル始め脇役の歌唱力が凄い!特に「Never Enough」は感動モノ!
残念ながら作品中で最も素晴らしいシンギングだったジェニー・リンド役のレベッカ・ファーガソンは口パク。
吹き替えはローレン・アレッドが歌っています。やっぱりこの歌唱力は真のプロシンガーでないと不可能なレベルです。仕方ありません。
レベッカ・ファーガソンは私の大好きなMI(ミッション・インポッシブル)シリーズにも重要な役で二度ほど出演している実にいい役者だけに逆の意味で残念でした。
レベッカの俳優としての圧倒的な存在感が必要な映画だったのは分かりますが、どうせならローレン・アレッドに出演して貰って全員口パク無しの実力パフォーマンス集団として組織させた方が私好みでした。
第1位
アリー スター誕生
歌も演技も素直に感動できる!素晴らしい音楽映画だと思います。
でも欧米と違い日本ではあまりヒットしなかったですね。
映画も音楽もプロからは高評価ですが、劇中で使われた曲調(アメリカンロックやカントリーソングのエッセンスを現代的にアレンジしたポップス)も今現在ヒットしているJ-POPとはかけ離れていますからね。スポーツやファッションと同じように音楽の流行は欧米からじわじわやって来るので多くの日本人に馴染むのには時間が掛かるのかも知れません。
今年もミュージカル映画をはじめ楽しそうな音楽映画が期待できそうですね!わくわくしますね。
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